認知症介護のポイント

 ◇早期発見 早期治療で
 

 認知症は初期段階で発見されれば治療が可能で、かなりの程度進行を遅らせることができることは、医療介護関係者の間では常識ですが、一般の人々の認識は、残念ながらきわめて低く、老化現象による物忘れと簡単に片づけてしまいがちです。
 しかしその境目は見極めがつきにくく、かかりつけの医師や介護保険の一次調査段階でも見落とすことがしばしば。また本人や家族のプライドが邪魔をして受診機会を無為に遅らせてしまうケースも。同居する家族がちょっとした異変に気づいたときが勝負です。


 ◇認知症と物忘れの違い  

 物忘れとはひとつの流れの中の一部を忘れているだけです。それに対して認知症とは、一連の記憶の中で、ある一部がそっくり抜け落ちて全く記憶が無くなる症状を指します。
例を挙げると、昨日の夕食のメニューを思い出せないのは老化に伴う物忘れ、食べたこと自体を思い出せないのが認知症です。
 その結果、認知症の方は、現在そこにいること自体に不安を覚え、多くの問題を引き起こしてしまうことに至ります。
 ◇認知症チェックリスト

 次の項目のいくつかに当てはまり、その状態が半年以上続いている場合には、福祉関連の窓口に相談したり、医師の診断を受けることが認知症の早期発見につながります。

  □同じことを何度も言ったり、聞いたりする
  □慣れているところで道に迷う
  □財布を盗まれたと言って騒ぐ
  □以前よりだらしなくなった
  □夜中に急に起き出して騒ぐ
  □置き忘れやしまい忘れが目立つ
  □計算の間違いが多くなった
  □物の名前がでてこなくなった
  □ささいなことで怒りっぼくなった
  □時間や日付が不確かになった
  □水道の蛇口やガス栓の閉め忘れが目立つ
  □料理の味付けが急に変わったり、一定でない
  □日課をしなくなった
  □以前はあった関心に興味が失われた
  □以前よりもひどく疑い深くなった
  □薬の管理ができなくなった
  □テレビドラマの内容が理解できていない

 ◇認知症高齢者の心理

 認知症高齢者は、次のような心理状態に陥っていると考えられます。

(1)一部の体験がなくなることにより、話がつながらなかったり、
   思い出せない自分に対していつも不安な気持ちになる。
(2)近接記憶の低下により、少し前の体験は忘れてしまうが、ある一定の
   音のことはあたかも昨日のことのように思い出すことで記憶の混乱が起こる。
(3)正しい状況がつかめないことを何とか改善しようとするけれど、かえってうまくいかなくなり、
   苛立ってくる。それが排掴や身近な人への攻撃になったりといった行動を起こすようになる。

 ◇
認知症への対処法

 認知症の人自身の「その人らしさ」を大切にし、何もかも手助けするのではなく、本人の心身の力を量大限発揮するようなやり方で、残っている能力を引き出すことが大切です。特に初期の段階においては、自分でできることはすぺて自分でやってもらうよう辛抱強く“見守りに徹する”
対応が肝心です。

 ◇さまざまなザービスを組み合わせて…

 私達の町には、実は、暮らしを支えてくれる市区町村独自のいろいろなサービスがあります。さらに、「年老いても、わが町で暮らし続けられるように」という願いをもって、お年寄りと家族を地道に支えてきている介護支援の自主グループ、ボランティアグループもあり、配食、会食、移送、外出付き添い、話し相手、家事援助など介護保険以外のさまざまな福祉サービスが提供されています。
 これらのサービスを上手に組み合わせて使うことで、認知症があっても自立した生活を豊かにすることができます。
 どのようなものがあるかは市区町村によって異なるので、在宅支援センターや保健所、社会福祉協議会、福祉公社、生活協同組合、NPO団体などの窓口を訪ねてみましょう。



 また、損害保険会社の医療・介護補償保険は、これまでよりさらに内容が充実して使いよくなっています。老親のために、そして介護に携わる自分のためにも検討の価値がおおいにあります。
 要介護期間という受け身の時間ではなく、フィナーレの時間をどう量かに過ごさせるか、老いの身たったひとりで、あるいは家族だけで長丁場の介護をがんぱり通そうなんて思わないで、よりよいものにするために一緒に育てていくのがこれからの介護サービスです。