2008年03月14日
シックカー症候群ってご存知でしたか? シックハウス症候群の車版
「くしゃみや鼻水が出る」「頭やのどが痛い」「やたら眠く頭がボーッとする」「なんだかイライラする」。
新車に乗ってこんな症状が出たら、「シックカー症候群」を疑った方がいいそうだ。シックハウス症候群の車版で、車の内装に使われる化学物質が原因ともいわれる。体調不良は事故の遠因にもなりかねない。車内の温度が上がり、化学物質が揮発しやすいときはとくに気をつけた方がいい。
「納入したての新車を運転していたら、鼻水が出て気分が悪くなり、頭がボーッとしてきます。子供たちも体がかゆいと訴えます。化学物質過敏症のようですが、どうしたらいいですか?」
気温が20度を超える季節になると、公衆衛生研究所にはこの手の相談が数多く寄せられるらしい。研究員のY氏に聞いてみました。
「新車の室内空気は想像以上に化学物質により汚染されています。国産のワンボックス型新車の室内空気内の化学物質濃度を調べたところ、納車翌日にはホルムアルデヒドなど113種類の揮発性有機化合物(VOC)が検出されました。その総量は厚生労働省の目標値(1立方メートル当たり400マイクログラム)の約35倍。時間の経過と共にその量は減っていきましたが、それでも1年後で約2.7倍、3年後でも約1.4倍。厚労省の目標値まで下がるのに3.3年かかりました」
VOCはアトピーや神経障害を引き起こす原因ともいわれる。
吉田氏は05年に新車登録から3年未満の国産車101車種の車内空気も測定。275の化学物質が測定されるなど同様の検出結果を得たという。ではどんな車にVOCが多いのか?
「101車種を新車価格帯により(1)150万円未満(2)150万~230万円未満(3)230万円以上の3つに分けて調べたところ、価格が高いほど車内のVOC濃度が高いことがわかっています」
その理由は、高級車に多用されているウッドパネル、革シートなどにあるとされる。大衆車に比べ多くの接着剤などが使われているからです。
「車は家より空間が狭い。そのうえクーラーを使用するため車内は密閉され、化学物質濃度は高くなりがちです。当然、室内に居るときより化学物質による空気汚染には注意が必要なのです」
自動車業界も今年からシックハウスに関わりが深いとされる13の化学物質を自主規制するなど、VOC低減に取り組み始めた。
しかし、車内のVOCは約250種類あり、13種類だけでは不十分。VOCの総量を規制しないのも問題だ。
では、そんななかで、取りあえずの“自衛策”はどうすればいいのか?「新車はまめに空気を入れ替えること。とくに夏場は車内の気温が上がり、化学物質が揮発しやすいので、十分換気して車に乗り込むことです。駐車中はサンバイザーなどで直射日光を遮ること。多くの化学物質を吸着する炭を置いておくのもいいでしょう。できたら、納車された新車は窓を閉め切った状態で暖房をかけて室内温度を上げ、その後換気して化学物質を追い出すベークアウトをするのも手です」
米国環境保護局(EPA)も「車内空気の汚染は5大環境公害リスクのひとつ」としている。新車を買ったら、少なくとも3年くらいは要注意だ。
- by 野村
- at 19:50